JavaScriptを開発したBrendan Eich氏、プライバシ重視の高速ブラウザ「Brave」発表

 Mozillaの共同創業者でJavaScriptを考案したBrendan Eich氏は1月20日、Chromiumベースの独自Webブラウザ「Brave」を発表した。閲覧しようとするサイトに対し可能な限りHTTPSを利用した接続を試みる「HTTPS Everywhere」機能を内蔵するなど、プライバシを重視している点が特徴。WindowsおよびMac OS X、Linuxとモバイル(iOSとAndroid)版がリリース予定で、ベータ版の事前登録を受け付けている。

 Braveを開発するBrave Softwareは、2014年春にMozillaを退社した後にEich氏らが立ち上げた企業。Eich氏は現在、Braveのプレジデント兼CEOに就任している。

 BraveはChromiumをベースとするオープンソースのWebブラウザで、Electronフレームワークを利用して開発されている。HTTPS Everywhere以外の特徴の1つとして、ユーザーが広告をコントロールできる点がある。Web上ユーザーのプライバシを侵害するものをすべて遮断することを開発目標に掲げており、これにより速度とプライバシー保護の2つのメリットを提供する。Braveによると、Webサイトの読み込み時間の約60%が広告関連により生じており、そのうちの約20%がユーザーに関する情報を収集しようとするトラッカーなどの技術だという。

 サードパーティのトラッカー、クッキー、Fingerprint、広告挿入のスクリプトなどを遮断するだけでなく、Braveはブラウザベースの広告技術プラットフォームの役割も持ち、将来的に標準的なサイズの広告のみを表示する計画もあるようだ。ブラウザの利用データに基づきプライバシを尊重する広告のみを表示を許可するかどうかを選択でき、広告からの収益はWebサイトの持ち主、Brave、ユーザー、広告供給パートナーで分け合い、ユーザーはBitcoinベースのマイクロペイメントシステムを利用してサイトの持ち主に支払うことができるという。また、ユーザーデータはデフォルトでBrave Vaultというクラウドシステムに保存される。これによりお気に入りなどの同期が可能になるという。

 同日、開発者バージョンとしてアーリーアダプター向けに0.7をリリースした。デスクトップ版とモバイル版のソースコードはMozilla Public Licenseの下で公開されている。

米Brave Software
https://www.brave.com/