Firefox 10リリース、互換性の向上やWeb開発ツールの追加などが特徴

 Mozillaは1月31日、Webブラウザ「Firefox 10」を公開した。開発者向けにHTML/CSS分析機能が追加されたほか、HTML5/CSS3サポートも強化されている。WindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、MozillaのWebサイトよりダウンロードできる。

 Firefox 10ではセキュリティ問題の修正や安定性の改善、HTML5やCSS3のサポート向上などに加え、Web開発者向けに「Page Inspector」や「Style Inspector」といった分析機能が導入された。Webページ上で調査したい要素を選択してそのHTMLソースを確認したり、要素のCSSプロパティを確認できるもので、インラインでの編集も可能。

 また、双方向テキストの分離のためのHTML5要素「bdi」もサポートされたほか、プラグインなしに要素を3D的に変形できる「CSS 3D Transforms」もサポートされた。WebGLのアンチエイリアスも実装されている。このほか、ゲームなどフル画面で実行するWebアプリやWebサイト向けの「Mozilla Full-Screen API」も導入された。バージョン6で導入されたJavaScriptプロトタイプ環境「Scratchpad」も改良されている。

 ユーザーインターフェイス関連では、ナビゲーションバーの「進む」ボタンがデフォルトでは非表示となり、「戻る」ボタンや履歴機能を使ってページを戻った場合のみに表示されるようになった。ただし、ナビゲーションバーをカスタマイズしている場合は以前と同様に常に「進む」ボタンが表示される。そのほか、アドオンの互換性確認もより柔軟なものになった。これによってアップデートがスムーズになるという。

 また、同時にメールクライアント「Thunderbird 10」もリリースされた。Thunderbird 10ではWeb検索機能の追加や検索機能の改良などが加えられている。

 さらに、FirefoxおよびThunderbirdの法人向けの延長サポート(ESR)版もリリースされている。ESR版は既報のとおり54週間のメンテナンスが行われるバージョンで、ESR版のメジャーアップデートは1年に1回となる。

Firefox 10の調査機能。選択個所のHTMLソースやCSSプロパティを確認・編集できる
Firefox 10の調査機能。選択個所のHTMLソースやCSSプロパティを確認・編集できる

Mozilla
http://www.mozilla.org/

Firefox
http://mozilla.jp/firefox/

Thunderbird
http://mozilla.jp/thunderbird/

Firefox/Thunderbirdの法人向け延長サポート版
http://mozilla.jp/business/downloads/