VirtualBox 1.5.0:シームレスなウィンドウの実現などを含むアップデート

 innotekは今週、同社のオープンソース仮想化ソフトウェアであるVirtualBoxの大幅なアップデートをリリースした。innotek社CEOのAchim Hasenmueller氏によると、今回リリースされたVirtualBox 1.5.0 for Windows and LinuxではLinuxシステム版で初めて、シームレスなウィンドウ――Linuxデスクトップ上でWindowsアプリケーションを単独で表示することができる機能――が実現されているという。

 またHasenmueller氏によると今回のアップグレードには、シリアルポートや64ビット版Windowsホストのサポートが含まれている。またゲストOSとしてIBM OS/2 Warpをサポートしているとのことだ。さらにVirtualBox 1.5.0には、様々なバグ修正やGUIの改良などとともに、標準規格に準拠したIntel PXEネットワークブート・エージェントも含まれている。より詳しい情報はVirtualBoxのchangelogで見ることができる。

 Hassenmueller氏は、以上のような変更点や追加機能はすべてのユーザがアップグレードするのに十分な理由となるものの、今回のアップデートには取り除くべき小さな不具合がまだいくつか含まれていると留意を促した。Hassenmueller氏によると「プロジェクトの品質管理プロセスをすり抜けてしまった、小さな問題点がいくつかある。Version 1.5.0は、何百個もの改良点が含まれた非常に大幅なアップデートだったが、たった3ヶ月でリリースされた。そのためユーザが利用し始めれば、問題点がいくらかユーザによって見つかるだろうということは予期していた」とのことだ。例えば、一部のキーボードレイアウト(Dvorakなど)はLinux上では正しく動かないなどの小さな不具合があるという。とは言えinnotekの技術者たちはすでにメンテナンスリリースに取り掛かっていて、Hasenmueller氏によると「まもなく」ダウンロード可能になるとのことだ。

 VirtualBoxはGPLと商用ライセンスの下で利用可能になっている。なおinnotekによると、商用ライセンスについても、ほとんどのケースにおいて無料で使用することができるという。Hasenmueller氏によると、一部のプロプライエタリな仮想化ソフトウェア企業は「ほぼ同じソフトウェアを数多くの異なる製品としてパッケージングしている……。しかしVirtualBoxは、一つのパッケージで複数の目的に対応している。当然ながらダウンロードのほとんどはデスクトップ上で使用するエンドユーザによるものだが、商用製品の顧客はVirtualBoxをクライアント上でもサーバ上でも利用している。さらに、組み込み分野のビジネスも順調だ」とのことだ。

Linux.com 原文