Red Hat、ローエンドPC向けLinuxのリリースを1カ月延期――搭載ソフトを提供するベンダーとの交渉が難航か

 米国Red Hatは8月3日、米国Intelと共同開発したローエンドPC向けLinux「Red Hat Global Desktop」の一部詳細を明らかにする一方、今年8月中としていたリリース時期を、9月まで延期すると発表した。

 これはRed Hatの公式ブログで明らかにされたもの。

 Global Desktopは、新興市場の小規模企業や地方自治体、開発途上国の政府機関などをターゲットとしている。Red Hatは、米国MicrosoftのWindowsシステムを導入する予算のない顧客に対し、Global Desktopを低価格で提供する方針だ。

 Red Hatのデスクトップ開発チームは、「Global Desktopは、デスクトップOSに必要とされるすべての機能と、総合アプリケーション・スイートを搭載している」と、同社の公式ブログでアピールしている。

 今年5月にGlobal Desktopを発表した時点で同社は、「リリース時期は今年8月中」と説明していた。しかし、Global Desktopに搭載するソフトウェアを開発しているベンダーと、使用許諾などに関する交渉に時間がかかっているため、リリースは9月に持ち越されることになったという。

 「Global Desktopは当初、8月中に提供を開始する計画だった。しかし、使い勝手を向上させるため、9月まで提供を延期することにした。われわれはユーザーがインターネット上にある、ほぼすべてのコンテンツを視聴できるように、主要なマルチメディア・コーデック・ソフトウェアの正式版を提供できる方法を模索している。現在は(それらのソフトウェアを提供している)各開発ベンダーとの交渉をまとめている段階だ」(Red Hatの公式ブログより)

 さらにRed Hatは、「ホワイト・ボックス」と呼ばれるノンブランドPCを販売する各地域の小規模ベンダーを通じ、Global Desktopを配布することも明らかにした。ただし価格などは明らかにしていない。

 同社は今年3月、企業向けの「Red Hat Enterprise Linux 5」と「One Laptop Per Child(OLPC)」プロジェクトで提供される発展途上国の学生向けノートPCに対応する「Red Hat Linux」をリリースしている。同社は、これら2つのOSとGlobal Desktopにより、同社のデスクトップ戦略を支える3つの柱がそろうことになると説明している。

(マネク・ドゥーバーシュ/Techworld オンライン英国版)

米国Red Hat
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提供:Computerworld.jp