ギークのためだけではないSoftware Freedom Day

今年9月16日、世界中が3年目のSoftware Freedom Day(SFD)を迎える。主催者によると、このイベントのねらいはフリーソフトウェアを使うことの利点をもっと認識してもらうことであり、今回は150もの国々が参加するなど、例年以上に関心が集まっているという。

世界中のフリーソフトウェア愛好家たちが、教育的なセミナー、製品サンプルの配布、フリーソフトウェアのデモなど、その地域特有のイベントを協力して作り上げるためにローカルチームの編成を進めている。「このイベントへの参加は完全に無料で、製品の試用版やイベントグッズ、我々の人権を奪うような動作はしないテクノロジを使いこなすための詳しい情報などが用意されます」と、Software Freedom Dayの公式サポート組織Software Freedom International(SFI)の新しく選出された代表Pia Waugh氏は話している。世界中のボードメンバー9人がこれからのFreedom Daysの行く末を決め、組織的な援助やTシャツのようなイベントグッズを求めるチームの要請に応える。

今年は、チームや個人の間で「最優秀イベント写真(Best Event Photo)」、「最優秀SFDブログ記事(Best SFD Blog Coverage)」、「最優秀SFDイベント」といった各種コンテストが行われる。IBMはPOWER5サーバ5台をそれぞれの最優秀チームへの賞品として提供し、個人参加者にはボードメンバーのサインが入った「Software Freedom Day」Tシャツが贈られることになっている。

SFIボードメンバーの1人でSoftware Freedom Dayの発案者の1人でもあるMatt Oquist氏は、今年のSFDへの反応は上々だと語っている。「2004、2005年は各LUGに対して電子メールでSFDチームの編成を呼びかけたが、今年は昨年参加してくれたチームのリーダーにしか連絡を取らなかった。それでも参加チーム数は昨年とほぼ同じ増加率を見せている」。また彼は次のように語っている。「SFDには人々を自然に引き寄せるほどの楽しさがあり、関わる人すべての気持ちを純粋に盛り上げてくれる。毎回のことだが、このイベントが終わるとすぐに反響の声や電子メール、写真が大量に届く。SFDは回を重ねるごとに参加者の数が増えている。それも、もしSFDのことを知っていたら前年もきっと参加しただろう、という人々ばかりだ」

またWaugh氏によると、今年はすでに150を超えるチームが参加を予定しており、その数は今なお日々増え続けているという。各チームは2~30名のボランティアからなり、地域を問わず世界各地で編成されている。1つのチームに対して、フリーソフトウェアに思い入れのある人々3,000名が集まる場合もありますが、私たちの暮らしはテクノロジを中心にして回っているので、フリーソフトウェアの存在は重要です、とWaugh氏は語っている。「このことは究極的に、交際の自由や集会の自由のような人間としての私たちの基本的自由が、こうした自由の実践に用いられるテクノロジと同程度の自由さでしかないことを意味しています」

Oquist氏にとって、SFDは考え方を改める機会だという。「ソフトウェアの自由(Software Freedom)へと至る1つの重要な段階は、世界の半分以上の人々がフリーソフトウェアの可用性と品質を認めることだ。“デスクトップLinuxの年”についてはもう何年もずっと話題になっている。Linuxデスクトップの採用が遅れている要因はいくつもあるが、その際たるものの1つがこの「鶏が先か卵が先か」という因果関係のはっきりしない問題だ。誰しも自分が最初になるのを嫌がっている。私は、この10年間でフリーソフトウェアの波が世界中に広がり、コンピュータの世界の自由を奪う独占的な支配体制を完膚無きまでに破壊してくれるものと期待している」

Waugh氏によると、SFDへのチーム登録の公式な期限は過ぎているが、エントリーはまだ受け付けており、あるいは最寄りの登録済みのチームに参加してもらってもよい、とのことだ。「住んでいる地域の近くにチームがないかはWebサイトで確認できますし、自らイベントを立ち上げることもできます。バーベキューやピクニック、インストール大会、講演、コンテスト、何でも構いません」。彼女は「自由はギークのためだけにあるわけではなく、みんなのためにあるのです」と強調している。

NewsForge.com 原文