Emacs超入門[1]:Emacsの基本的な使い方とショートカットキー 7ページ

知っておくと便利なコマンド

 以上でEmacsの基本的な操作を一通り解説したが、Emacsにはそのほかにも知っておくと便利なコマンドが多数ある。そのうち代表的なものを紹介しておこう。

画面の分割:C-x 2

 Emacsでは、画面を上下、もしくは左右に分割して同じファイルの別の個所、もしくは異なるファイルを同時に表示できる(図16)。「C-x 2」ショートカットでは画面の上下分割が、「C-x 3」では左右分割が可能である(表7)。「C-x ^」でウィンドウの分割位置を調整できるが(カーソルがあるウィンドウを1行分広げる)、GUI環境であればマウスでモードラインをドラッグ&ドロップすることでも分割位置を調節できる。

図16 ウィンドウの分割
図16 ウィンドウの分割
表7 ウィンドウ分割に関連するショートカット
ショートカットキー 動作
C-x 2 ウィンドウを上下に分割する
C-x 3 ウィンドウを左右に分割する
C-x o 表示されている次のバッファにカーソルを移動
C-x 1 ウィンドウ分割を解除する
C-x 0 次のウィンドウにカーソルを移動してウィンドウ分割を解除する
C-x ^ ウィンドウの分割位置を変更してカーソルのあるウィンドウを広げる
C-x { ウィンドウを水平方向に小さくする
C-x } ウィンドウを水平方向に広げる
C-M-v 表示されているバッファのうち、カーソルがあるバッファ以外をスクロールする
テキストエンコーディングを変更する

 「C-x RET f](Ctrl+x、Return、fの順にキーを押す)で編集中のファイルのテキストエンコーディングを変更できる。「C-x RET f」を入力後、テキストエンコーディングを指定してEnterキーを押せばよい。たとえばUTF-8でテキストファイルを保存するなら、「utf-8」を指定すればよい(表8)。また、テキストエンコーディングだけでなく、改行コードも同時に変更できる。

図17 テキストエンコーディングの変更
図17 テキストエンコーディングの変更
表8 日本語環境でよく利用されるテキストエンコーディング方式
指定する文字列 説明
utf-8 UTF-8エンコードを使用する。改行コードは変更しない
utf-8-dos UTF-8エンコードで改行コードにCR+LFを使用する
utf-8-mac UTF-8エンコードで改行コードにCRを使用する
utf-8-unix UTF-8エンコードで改行コードにLFを使用する
cp932 CP932エンコードを使用する。改行コードは変更しない
cp932-dos CP932エンコードで改行コードにCR+LFを使用する
cp932-mac CP932エンコードで改行コードにCRを使用する
cp932-unix CP932エンコードで改行コードにLFを使用する
shift_jis シフトJISエンコードを使用する。改行コードは変更しない
shift_jis-dos シフトJISエンコードで改行コードにCR+LFを使用する
shift_jis-mac シフトJISエンコードで改行コードにCRを使用する
shift_jis-unix シフトJISエンコードで改行コードにLFを使用する
iso-2022-jp JISエンコードを使用する。改行コードは変更しない
iso-2022-jp-dos JISエンコードで改行コードにCR+LFを使用する
iso-2022-jp-mac JISエンコードで改行コードにCRを使用する
iso-2022-jp-unix JISエンコードで改行コードにLFを使用する
euc-jp EUC-JPエンコードを使用する。改行コードは変更しない
euc-jp-dos EUC-JPエンコードで改行コードにCR+LFを使用する
euc-jp-mac EUC-JPエンコードで改行コードにCRを使用する
euc-jp-unix EUC-JPエンコードで改行コードにLFを使用する